続・ゼルガディス=グレイワーズの恋物語? |
続き〜♪ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「お、よお、ゼル!」 「な〜によ、あんたも来てたの?」 ガウリイとリナは、懐かしい白ずくめを見付けるなり、声を掛けた。 「ああ、あんたらか、相変わらず、仲良さそうだな。」 振り返るなり、その白ずくめ、ゼルガディスは、ニヒルに笑う。 「はは、まあな。元気でやってたか?」 「ふん、まあ、ご覧の通りだ。」 ガウリイの問いに、ゼルは肩をすくめて見せた。 「ね、再会を祝って、パアッ!とやらない?」 「お、いいな。ゼル、どうだ?」 「2人の邪魔にならんか?」 リナの提案に、ガウリイは乗り気になるが、ゼルは遠慮をしようとする。 「な〜に水臭い事言ってんのよ!あんたに再会したのを祝うのに、本人がいなきゃ、意味ないじゃないの。」 「そうそう。さ、行こうぜ。」 そう言うと、リナを先頭に、ガウリイが続き、その後を諦めの表情のゼルが渋々歩く。 「それ、なんだ?」 食堂の席に着くなり、テーブルにハンカチを広げ、その上に巾着袋を置いたゼルに、ガウリイがそう聞く。 「そうだな、あんたらになら、見せてやってもいいぜ。」 言うなり、ゼルは巾着袋から中身を取り出し、丁重にハンカチの上に置く。 「石じゃない。」 「ただの石じゃないさ。」 溜め息混じりに言ったリナに、心持ちムッとした表情になり、ゼルは石を撫でる。 「こいつは、ハルだ。」 「へえ、表面、きれいね。」 ハルを覗き込み、リナは目を輝かせる。 「そうだろう?そこらの石とは違うだろう。」 「ん〜、そうかあ?」 「え?!ハルの良さが、分からないの?!」 「全くだ!目だけは良いんだろうが?!」 ガウリイが首を捻ると、リナとゼルは席を立ち、抗議する。 「え?!いや・・・だってなあ?」 「よし、分かった。なら、証明してやろう。」 戸惑うガウリイに、ゼルは不敵に笑う。 3人は、近くの河原へと移動していた。 「投げてみろ、俺はハルをこの中から見付けてみせる。」 「ち・・・ちょっと、ガウリイの馬鹿力で、遠くにいっちゃったら、どうすんのよ。ハル程のステキ石、二度と現れないわよ?!」 平然と言ったゼルに、リナが焦る。 「それなら、それまでさ、俺とハルとの縁が無かった、て事になるだろう?」 「そんな・・・ゼルは、それでいいの?」 「ふ・・・良い訳ないだろう?だが、逆を言えば、見付けられれば、俺とハルとの切れない絆を証明出来る、て事だ。なら、必ず見付けてみせる。」 「ゼル・・・あんたバカよ・・・」 夕日に照らされた、ゼルの決意の表情に、リナは悲しそうに顔を歪ませる。 「さあ、投げてくれ。」 「あ、ああ・・・」 ハルを渡され、ガウリイは、戸惑った表情をして、それを、大振りにして投げた。 1刻程が経ち、ゼルはガウリイの前に立っていた。 「どうだ。」 「確に、さっきの石と似ている様な・・・」 誇らしげなゼルの顔と、彼の右手に在る物とを交互に見て、ガウリイは自信なさげに頬を掻く。 「何、言ってんのよ?!どっから見ても、ハルでしょうが?!」 「全くだ!惚れ込んだ奴を見間違う訳があるまい?!」 「す・・・すみません。」 リナとゼルの凄まじい剣幕に、ガウリイは冷や汗を流す。 「あ・・・欠けてる。」 「何?!」 リナの言葉に、ゼルは顔を青ざめた。 『ふ・・・ふ、ふっふっふっふっふっふ・・・』 声をハモらせ、リナとゼルは、ターゲットをロックオンした。 「ま・・・待て、オ、オレは、だな・・・」 顔を引き攣らせ、ガウリイは後退りをする。 「待たない。」 「死んで詫びろ。」 にこやかに笑い、リナとゼルは、声をハモらせる。 『火炎球!』 その言葉と共に、ガウリイはお空に一番星を作った。 「なんでだ〜?!」 ―ドス?! という鈍い音を鳴らし、ガウリイは目を瞬かせた。 「ん〜?なんだ〜?」 暫し、そのまま考え、やがて、ポン!と手を鳴らす。 「ベッドから、落ちちまったんか。」 少しばかり遠い天井を見て、納得顔で、うんうん頷き、ガウリイは、身を起こす。 「寝相は良い方なんだがなあ。」 頬を掻き、苦笑すると、隣の部屋からゴチッ?!という景気のいい音が響いてきた。 「ぷっ、随分良い音させたなあ。」 苦く笑い、窓を見れば、朝日が昇り始めていた。 「うん。今日も晴れだな。」 遠くから聞こえる鳥の声に胸を弾ませ、ガウリイは、隣の部屋の彼女の為に、冷えた水をもらってこよう、と部屋を出た。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 石に恋するゼル、てどうよ、彼のファンを完全に敵に回したよね☆ これで、終りませんよ? |