続・ゼルガディス=グレイワーズの恋物語?

続き〜♪
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「お、よお、ゼル!」
「な〜によ、あんたも来てたの?」
ガウリイとリナは、懐かしい白ずくめを見付けるなり、声を掛けた。
「ああ、あんたらか、相変わらず、仲良さそうだな。」
振り返るなり、その白ずくめ、ゼルガディスは、ニヒルに笑う。
「はは、まあな。元気でやってたか?」
「ふん、まあ、ご覧の通りだ。」
ガウリイの問いに、ゼルは肩をすくめて見せた。
「ね、再会を祝って、パアッ!とやらない?」
「お、いいな。ゼル、どうだ?」
「2人の邪魔にならんか?」
リナの提案に、ガウリイは乗り気になるが、ゼルは遠慮をしようとする。
「な〜に水臭い事言ってんのよ!あんたに再会したのを祝うのに、本人がいなきゃ、意味ないじゃないの。」
「そうそう。さ、行こうぜ。」
そう言うと、リナを先頭に、ガウリイが続き、その後を諦めの表情のゼルが渋々歩く。
「それ、なんだ?」
食堂の席に着くなり、テーブルにハンカチを広げ、その上に巾着袋を置いたゼルに、ガウリイがそう聞く。
「そうだな、あんたらになら、見せてやってもいいぜ。」
言うなり、ゼルは巾着袋から中身を取り出し、丁重にハンカチの上に置く。
「石じゃない。」
「ただの石じゃないさ。」
溜め息混じりに言ったリナに、心持ちムッとした表情になり、ゼルは石を撫でる。
「こいつは、ハルだ。」
「へえ、表面、きれいね。」
ハルを覗き込み、リナは目を輝かせる。
「そうだろう?そこらの石とは違うだろう。」
「ん〜、そうかあ?」
「え?!ハルの良さが、分からないの?!」
「全くだ!目だけは良いんだろうが?!」
ガウリイが首を捻ると、リナとゼルは席を立ち、抗議する。
「え?!いや・・・だってなあ?」
「よし、分かった。なら、証明してやろう。」
戸惑うガウリイに、ゼルは不敵に笑う。
3人は、近くの河原へと移動していた。
「投げてみろ、俺はハルをこの中から見付けてみせる。」
「ち・・・ちょっと、ガウリイの馬鹿力で、遠くにいっちゃったら、どうすんのよ。ハル程のステキ石、二度と現れないわよ?!」
平然と言ったゼルに、リナが焦る。
「それなら、それまでさ、俺とハルとの縁が無かった、て事になるだろう?」
「そんな・・・ゼルは、それでいいの?」
「ふ・・・良い訳ないだろう?だが、逆を言えば、見付けられれば、俺とハルとの切れない絆を証明出来る、て事だ。なら、必ず見付けてみせる。」
「ゼル・・・あんたバカよ・・・」
夕日に照らされた、ゼルの決意の表情に、リナは悲しそうに顔を歪ませる。
「さあ、投げてくれ。」
「あ、ああ・・・」
ハルを渡され、ガウリイは、戸惑った表情をして、それを、大振りにして投げた。
1刻程が経ち、ゼルはガウリイの前に立っていた。
「どうだ。」
「確に、さっきの石と似ている様な・・・」
誇らしげなゼルの顔と、彼の右手に在る物とを交互に見て、ガウリイは自信なさげに頬を掻く。
「何、言ってんのよ?!どっから見ても、ハルでしょうが?!」
「全くだ!惚れ込んだ奴を見間違う訳があるまい?!」
「す・・・すみません。」
リナとゼルの凄まじい剣幕に、ガウリイは冷や汗を流す。
「あ・・・欠けてる。」
「何?!」
リナの言葉に、ゼルは顔を青ざめた。
『ふ・・・ふ、ふっふっふっふっふっふ・・・』
声をハモらせ、リナとゼルは、ターゲットをロックオンした。
「ま・・・待て、オ、オレは、だな・・・」
顔を引き攣らせ、ガウリイは後退りをする。
「待たない。」
「死んで詫びろ。」
にこやかに笑い、リナとゼルは、声をハモらせる。
『火炎球!』
その言葉と共に、ガウリイはお空に一番星を作った。
「なんでだ〜?!」
―ドス?!
という鈍い音を鳴らし、ガウリイは目を瞬かせた。
「ん〜?なんだ〜?」
暫し、そのまま考え、やがて、ポン!と手を鳴らす。
「ベッドから、落ちちまったんか。」
少しばかり遠い天井を見て、納得顔で、うんうん頷き、ガウリイは、身を起こす。
「寝相は良い方なんだがなあ。」
頬を掻き、苦笑すると、隣の部屋からゴチッ?!という景気のいい音が響いてきた。
「ぷっ、随分良い音させたなあ。」
苦く笑い、窓を見れば、朝日が昇り始めていた。
「うん。今日も晴れだな。」
遠くから聞こえる鳥の声に胸を弾ませ、ガウリイは、隣の部屋の彼女の為に、冷えた水をもらってこよう、と部屋を出た。
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石に恋するゼル、てどうよ、彼のファンを完全に敵に回したよね☆
これで、終りませんよ?